【書籍レビュー】三浦しをん『舟を編む』|不器用な人が“言葉”でつながる、静かな感動の物語

こんにちは、なこです。

「船を編む」ってどんな話?
ドラマにもなってるけど、面白いの??

どんな話か気になりません??

ベストセラーとなった本で、とても面白いです。
ドラマは原作と少し話が違うから、原作を読んでみてほしい。

今回は、私の大好きな小説家の三浦しをんさんの『舟を編む』を紹介をしていきます。

アニメや映画化され、現在はドラマも放送中ということで、原作ファンとして、改めて本の魅力を伝えたくなりました。

この本は、不器用な主人公が、新しい国語辞典の編集に関わる中で「人」や「辞典」を通じて「言葉」と向き合いながら、1冊の国語辞典を作っていくお話です。

この記事では、『舟を編む』という作品を紹介し、「言葉」の大切さを知ることができます。

 

『舟を編む』とはどんな本

あらすじ|

言葉を“編む”、辞書づくりの物語

主人公は、出版社「玄武書房」で働く馬締光也(まじめ・みつや)。
彼は不器用で、周囲とうまくなじめず、“変わり者”と見られていた存在。

そんな彼が辞書編集部にスカウトされ、新しい国語辞典『大渡海(だいとかい)』の編集に携わることになる。
辞書編集部に集うのは、言葉を愛し、情熱を注ぐ個性的な編集者たち。

辞典編集ではら抜き言葉や現代的な言葉使い。
辞典に載せるために言葉の意味を知りながら、個性的な編集者たちと関わる中で、「言葉で伝えたい」「つながりたい」と思うようになる。

たくさんの人と関わりを持ちながら、色々な危機を乗り越え1つの国語辞典『大渡海』を出版していくお話です。

魅力を深掘り

主人公の魅力

不器用でも、自分に合った居場所がある

主人公の馬締は、最初はうまく周囲とやりとりができない人物として描かれます。
けれど、彼の“変わり者”な面こそが、辞書づくりにとってかけがえのない力になります。

何気なく使われている言葉にも、意味や背景を丁寧に掘り下げ、考え抜く彼の姿に、心がぐっと掴まれました。

「自分のままでいいんだ」
「得意なことは、きっと誰かの役に立つ」

そんな優しいメッセージが静かに伝わってきます。

「言葉」「コミュニケーション」の大切さを知る

「言いたいことがうまく伝わらない」
「言葉ってむずかしい」
そんなふうに悩んだことがある人にこそ、この物語は響きます。

馬締は、辞書づくりに関わる中で「言葉は、ただの情報じゃない」と気づいていきます。

誰かに伝えたい。理解したい。つながりたい。

そう思うからこそ、彼は言葉と真剣に向き合っていきます。

「言葉」や「コミュニケーション」の難しさと大切さを知ることができます。

 “モノ”ができる過程の尊さ

『舟を編む』を読むまでは、「辞書って小学生の時に使うもの」くらいの印象でした。
でもこの本を読むと、この辞書1冊にどれだけの人の想いが込められているのかと思うようになりました。

  • どんな言葉を載せるか

  • どんな意味をつけるか

  • 時代によって変化する表現とどう向き合うか

その1つひとつに、ものすごい量の知識と判断と、そして想いが詰まっている。
こんなにも多くの人が、時間と情熱を注いで“ことばの舟”を編んでいるんだと思うと、胸が熱くなります。

何かを作るというのは、喜びも苦労も沢山の想いが詰まっているんですね

読後の余韻が、深くて長い

『舟を編む』を読み終えたあと、しばらく心がぐっと掴まれたような感覚になりました。

地道で真剣で、誠実な登場人物たちの姿。
色々な危機がありつつも、辞書が完成した時には涙が出るほど嬉しくなりました。

何度も思い返したくなるセリフ、情景、表情。
1つのものをこんなにも夢中に一生懸命作り上げていく姿は、うらやましくもありました。

辞書はただの道具ではなく、人と人とをつなぐ“船”
その舟を編む人たちの物語は、言葉に携わるすべての人の心に届いている。

本を閉じたあとも、しばらくその世界から戻ってこれませんでした。

言葉がもっと愛おしくなる

この本を読み終えたあと、私は普段何気なく使っていた言葉に立ち止まるようになりました。

  • 「この言葉、ちゃんと伝わってるかな?」

  • 「もっと丁寧に、言葉を選びたいな」

そんなふうに、自分の言葉の意味や使い方を気にするきっかけになりました。

書籍派の私が伝えたいこと

映画やドラマもとても素晴らしいけれど、どうしても時間の制約で描けない部分もあります。

原作小説では、登場人物たちの心の動きや、辞書づくりの過程が丁寧に描かれています。
読めば読むほど、どんどん本の世界にのめり込んでしまいます。

単行本の「舟」の表紙もとても素敵です!

「辞書を作る」という一見地味な題材の裏に、こんなにも豊かなドラマがあることを、ぜひ書籍で体験してほしいです。

 こんな人におすすめ!

  • 人付き合いが苦手な自分に、どこかもどかしさを感じている人

  • 好きなことにまっすぐ向き合いたい人

  • 言葉が好き。でもうまく伝えられなくて悩んでいる人

  • “誇りに思える仕事”をしたいと思っている人

  • 静かに泣ける物語を探している人

  • 三浦しをんさんの作品が初めての人

  • 「モノができる過程」が好きな人

 まとめ  「言葉」は難しいけど、大切なもの

今回はアニメ・映画・ドラマ化されている、三浦しをんさんの『舟を編む』の紹介をしました。

『舟を編む』は、変わり者の主人公がスカウトされ、たくさんの編集者とともに熱い想いを込めて1冊の辞典を編集していくお話です。

辞典の編集や編集者との関わっていくことで、「言葉」の大切さを教えてくれる本です。

気になった方は、ぜひ一度本を手に取ってみてください♪

最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事が、三浦しをんさんの本を手に取るきっかけになると嬉しいです。
ありがとうございました。

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