- 頭が平らになってきた気がする
- いつも同じ方向しか向かない
- 向き癖がひどくて頭の形が心配…
- ヘルメット治療が必要なのかな

赤ちゃんの頭の形は、「きれいな丸い頭になってほしい」と思いますよね。
はじめまして、理学療法士(PT)ママのなこです。
病院で15年以上、赤ちゃんから大人まで、体の動きや発達を専門に見ています。
赤ちゃんの頭の形や向き癖は、多くのママが気になるテーマのひとつです。
この記事では、向き癖の原因と自宅でできる対処法をPT視点でわかりやすく解説します。
この記事を読むとわかること
・向き癖の原因
・自宅でできる対処法
・ヘルメット治療の目安
・受診の目安
・私の体験談
赤ちゃんの頭の形はなぜ変わりやすいの?

赤ちゃんの頭蓋骨は、生まれたばかりのころはまだやわらかく、複数の骨がくっついていない状態です。
これは、お産のときに産道を通りやすくするためと、生後の脳の急激な成長に対応するための大切な仕組みです。
やわらかい頭蓋骨は、同じ方向に力がかかり続けると形が変わりやすいという特徴があります。
そのため、いつも同じ向きで寝ていると、その部分が平らになってしまうことがあります。
頭の形は生後3〜4ヶ月ごろから徐々に固まってくるため、気になる場合は早めに対処することが大切です。
向き癖の原因
向き癖には、いくつかの原因が考えられます。
子宮内での姿勢の影響
お腹の中でいた姿勢がそのまま癖になっていることがあります。
赤ちゃんにとって安心できる・楽な姿勢がそのまま続いている可能性があります。
首の筋肉の左右差
首の筋肉が左右で張り具合が違うと、向きやすい方向が偏ります。
使いやすい筋肉を使うので、向く方が偏ってしまいます。
光や音の方向
窓や声をかける側など、刺激がくる方向に顔を向けやすくなります。
赤ちゃんは光や音に反応して興味を持ちやすく、刺激ある方向を向きやすいです。
授乳・抱っこの向き
毎回同じ向きで授乳・抱っこしていると向き癖につながることがあります。
ママ、パパも抱っこしやすい向きがあると思います。
でも、いつも同じ抱き方だと、頭を支える場所・当たる位置が同じになるので、偏りが出やすくなります。

向き癖は、赤ちゃんが楽な方向を選んでいるだけなので、早めに気づいて対処してあげることが大切です。
自宅でできる対処法
ここからは、自宅でできる向き癖に対する対処方法について紹介していきます。
向き癖と反対側から声をかける・おもちゃを置く
一番手軽にできる方法です。
いつも右を向いている赤ちゃんなら、左側から声をかけたり、おもちゃを置いたりして、左を向く機会を増やしましょう。
テレビや窓など、赤ちゃんが気になるものが向き癖の方向にある場合は、ベッドの向きを変えるのも効果的です。

赤ちゃんが自然と視線を向けたくなるような環境を作っていきましょう。
頭をやさしくなでる
頭をやさしくなでることで、赤ちゃんが頭への刺激に慣れ、向き癖の矯正中に嫌がりにくくなる効果があります。
ただし、頭をなでるだけで頭の形が直接変わるわけではありません。
ポジショニングの工夫やうつぶせ練習と組み合わせながら行うことが大切です。
抱っこや授乳の向きを変える
毎回同じ向きで抱っこや授乳をしていると、向き癖が強くなることがあります。
左右交互に変えることを意識するだけで、向き癖の改善につながります。
最初は赤ちゃんが嫌がることもありますが、少しずつ慣らしていきましょう。
うつぶせ練習を取り入れる
うつぶせ練習は、向き癖の改善にもとても効果的です。
うつぶせの姿勢では頭の同じ部分に圧がかからないため、頭の形への負担を減らすことができます。
また、首の筋力をバランスよく鍛えることで、向き癖の改善にもつながります。
うつぶせ練習のやり方や嫌がる場合の工夫は、こちらの記事で詳しく解説しています。

注意!大泉門には絶対に触れないで
赤ちゃんの頭のてっぺんに、やわらかくぺこぺこしている部分があります。
これが大泉門です。
頭蓋骨がまだ完全にくっついていない部分で、生後1歳〜1歳半ごろにかけて少しずつ閉じていきます。
対処法を試すときも、大泉門には絶対に触れないように注意してください。
大泉門はとてもデリケートな部分なので、強く押したり刺激しないように注意しましょう。

頭を触るときは、大泉門の位置を確認してから行いましょう。
頭の形は成長で変わる?
赤ちゃんの頭の形は成長とともに変わることもあります。
特に1〜2歳くらいまでは頭蓋骨がやわらかいので、
寝る向きや姿勢、成長で少しずつ丸くなっていく子も多いです。
気になる頭の形で多いのは、
- 後頭部が平ら
- 右だけ・左だけ出っ張る
- 斜めっぽい
- ハチが張ってるように感じる
生後数ヶ月がいちばん形が変わりやすく、寝返り・お座り・ハイハイで圧が分散されると自然に改善することもあります。
ただ、「完全に真ん丸になる」かは個人差が大きいです。
特に、
- 向き癖が強かった
- 同じ向きで寝る期間が長かった
- 平らな部分が強い
- 耳の位置までズレてる
これらは成長だけでは残ることもあります。

髪が増えたり、顔つきや頭囲が成長すると、見た目としてはかなり目立ちにくくなる子も多いです。
ヘルメット治療って必要?
頭の形の変形が強い場合、ヘルメット治療(頭蓋形状矯正ヘルメット)を検討することがあります。
ヘルメット治療は、生後3~6ヶ月ごろに開始することが効果的とされています。
頭蓋骨がやわらかい時期に、ヘルメットで成長の方向を整えていく治療です。
赤ちゃんの頭のゆがみ(斜頭症・短頭症など)に対するヘルメット治療は、
日本では基本的に自由診療です。
そのため、ほとんどの場合は健康保険は適用されません。

ただし、病気が原因の特殊なケース(頭蓋骨縫合早期癒合症など)は保険適用になることがあります。
ヘルメット治療の費用は一般的には、
30万〜60万円前後が多いです。
内訳としては、
- 初回計測
- ヘルメット作成
- 定期調整
- 経過チェック
これらが費用に含まれ、通院頻度や程度によって費用は変わることがあります。
「うちの子はヘルメットが必要?」と思ったら、まずはかかりつけの小児科に相談してみてください。
自宅での対処法を続けても改善が見られない場合や、変形が強い場合は専門の医療機関への紹介を受けることができます。
こんな場合は受診を
以下の場合は、早めに小児科に相談してください。
- 首が一方向にしか動かない・動かすと泣く(筋性斜頸の可能性があります)
- 生後3ヶ月を過ぎても向き癖が全く改善しない
- 頭の変形が強く、左右差が大きい
- 大泉門が異常に盛り上がっている・へこんでいる
ママ・パパの「なんとなく気になる」という感覚は大切です。
早めに相談することで、適切なサポートを受けられることがあります。
私の体験
うちの子も向き癖がありました。
いつも右ばかりを向いていて、頭の右側が平らになってしまいました。
気が付いたときは都度左側を向かせて気をつけていたつもりですが、気がつくと右を向いてばかり…
私としては早めに対処しなければと思い、
上記で紹介した自宅でできる対処法に加えて、こんなことをしました。

- 寝る位置を反対側に変えた
- 背中にタオルを挟んで横向けで寝させる時間を作る
- 横抱きだけじゃなく、首を支えながらの縦抱きをした
- 好きなおもちゃを使って反対側から頻繁に見せた
- うつぶせ(タイミータイム)時間を増やした

赤ちゃんが嫌がらない範囲で、できることをやっていきました。
私のように、反対側に顔だけ向けるのが難しい場合は、
背中に丸めたタオルを挟んで体ごと横向きに寝かせるとやりやすいです。
また、おもちゃや絵本などの興味があるものを反対側から見せるのは続けやすかったです。
そして、左右均等になるように抱っこを気を付けながら、縦抱きやうつぶせをして物理的な頭の負担を減らすことを意識しました。
徐々に首が座ってくるにつれ、向き癖が少しずつ和らいできました。
また、完全にきれいな丸い頭ではありませんが、成長に伴って少しずつ頭の形が気にならなくなりました。
「完璧にやろう」とするより、毎日少しずつ続けることが大事だと実感しています。
ちなみに、私の赤ちゃんが夢中になったおもちゃ・絵本はこれでした。
詳しい内容はこちらの記事をチェックしてください。



よくある質問(Q&A)
向き癖はいつまでに治したほうがいい?
赤ちゃんの頭は、生後3〜6ヶ月ごろがいちばん形が変わりやすい時期です。
そのため、向き癖に気づいたら、早めに対策を始めるのがおすすめです。
ただ、「絶対に〇ヶ月までに治さないといけない」と焦りすぎる必要はありません。
寝返り・お座り・ハイハイが始まると、自分で動く時間が増えて、頭の同じ場所に圧がかかりにくくなるため、自然に改善していく赤ちゃんも多いです。
私自身が特に気になるのは、
- 反対側を全く向けない
- 首を動かすと嫌がる
- 体ごといつも同じ向きになる
こんな場合です。
向き癖だけではなく、首の筋肉の硬さが関係していることもあります。
「ちょっと気になるな…」と思ったら、早めに小児科へ相談してみると安心です。
ドーナツ枕は使っていい?
向き癖や頭の形が気になると、ドーナツ枕が気になる人も多いと思います。
ただ、私自身は「枕だけで改善する」というより、
- 向く方向を変える
- 抱っこを左右交互にする
- うつぶせ時間を増やす
など、毎日の関わりのほうが大切だと思っています。
また、柔らかい枕は窒息の危険もあるため注意が必要です。
使う場合は、
- 必ず見守る
- 短時間だけにする
- 睡眠中は避ける
など、安全を優先してください。

ドーナッツ枕を使っているから安心感はありますが、頭にかかる圧が同じ場所に続いてしまうこともあるため、使い方には注意が必要です。
わが家では、枕に頼りすぎるより、赤ちゃんが自然と反対側を向きたくなるように、おもちゃや声かけの位置を工夫していました。
向き癖は自然に治る?
向き癖は、成長とともに自然に改善する赤ちゃんも多いです。
寝返りやハイハイが始まると、自分で動ける時間が増えて、頭の同じ場所に圧がかかりにくくなるからです。
うちの子も向き癖が強くて、「これ大丈夫かな…」と毎日気になっていました。
気づくたびに反対側から声をかけたり、抱っこの向きを変えたりしていましたが、正直すぐには変わりませんでした。
でも、うつぶせや寝返りが増えてくると、少しずつ向ける方向も増えていきました。
ただ、
- 向き癖がかなり強い
- 頭の左右差が大きい
- 反対を向くのを嫌がる
場合は、自然には改善しにくいこともあります。

私としては、「完璧な丸い頭」を目指して頑張りすぎるより、赤ちゃんが左右どちらも使いやすい状態を作ることが大切だと思っています。
向き癖は発達に影響する?
軽い向き癖だけで、発達に大きな影響が出ることは多くありません。
ただ、向き癖が強いと、
- 片側ばかり見る
- 体の使い方が偏る
- 寝返りが片方だけになる
など、左右差が出ることがあります。
赤ちゃんは「向きやすい方向」をたくさん使うので、少しずつ体の使い方にも偏りが出やすいです。
私自身は、頭の形だけではなく、
- 首の動き
- 姿勢
- 体の左右差
もあわせて見るようにしています。
とはいえ、多くの場合は、毎日の抱っこや声かけ、遊びの工夫で少しずつ変わっていきます。
「なんとなく気になる」という感覚も大切なので、不安がある場合は早めに相談してみてください。
【まとめ】向き癖は早めの対処が大切。焦らず毎日続けよう
今回は、赤ちゃんの頭の形・向き癖について紹介しました。
赤ちゃんの頭の形・向き癖についての大切なポイントは
- 赤ちゃんの頭蓋骨はやわらかく変形しやすい。早めに気づいて対処することが大切
- 左右均等になるように声かけの方向や抱っこの向きを意識する
- 赤ちゃんにとっては興味がある・楽なほうを向いているだけ
- 赤ちゃんの興味があるもので、自然と誘導する
- 毎日少しずつ続ける
- 大泉門には絶対に触れない
まずは今日から、おもちゃを置く場所や声をかける方向を変えるところから試してみてください。
赤ちゃんが嫌がらない、無理のない範囲で、自然と赤ちゃんが視線を向けたくなるような環境を作ってみてください。
また、頭全体の負担を減らしながら、首座りの練習になる、うつぶせの練習も少しずつ毎日の習慣に取り入れてみてください。
心配なことがあれば、かかりつけの小児科や地域の育児相談を気軽に利用してください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
この記事がお役に立てると嬉しいです。

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