「泣くたびに抱っこしていたら抱き癖がつくって言われた…」
「置くとすぐ泣く。抱っこしすぎてるのかな」
「抱っこばかりで、自立が遅れないか心配」
こんな不安を感じたことはありますか?
はじめまして、理学療法士(PT)ママのなこです。
病院で15年以上、赤ちゃんから大人まで体の動きや発達を専門に見ています。

私も「抱き癖がついてしまう」と言われたことがあります。
現在の育児では、「抱き癖」という考え方は古く、抱き癖は否定されています。
抱っこは赤ちゃんの体・脳・心の発達に欠かせない、大切なスキンシップです。
「赤ちゃんをどんどん抱っこしてあげる」方がメリットが沢山あります。
この記事でわかること
・今の子育てで言われていること
・抱っこが体の発達に与える影響
・「抱っこしすぎ」は本当にあるのか
・私自身の体験談
抱っこについて悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
「もっと抱っこしていいんだ」と安心してもらえる記事です。
「抱き癖」という言葉はどこから来たの?
「抱き癖がつく」という言葉は、高度成長期ごろから広まった考え方です。
・泣いてもすぐ抱っこしない方が自立心が育つ
・抱っこしすぎると甘えた子になる
こういった育児観が、昭和の時代には当たり前のように伝えられていました。
今の子育てで言われていること

現在は、抱っこはどんどんした方がいいと言われています。
「泣いたら、すぐ抱っこする」ことを推奨しています。
厚生労働省、日本小児科学会、心理学や、脳の影響から、それぞれ抱っこについて説明されているのを紹介します。
厚生労働省・日本小児科学会
「赤ちゃんが泣いたら、すぐ抱っこしてあげましょう」を推奨しています。
現在は「抱き癖を心配して抱っこを控える必要はない」と考えられています。
アタッチメント理論(愛着理論)
心理学者ボウルビィが提唱した考え方で、今の育児の基本になっています。
- 抱っこで「安心できる場所(安心基地)」が育まれる
- 安心基地があるからこそ、外の世界に興味を持って自分から動ける
- 抱っこが自立を妨げるのではなく、自立の土台になる

抱っこは赤ちゃんにとって、安全な自分の居場所。
スキンシップの効果
抱っこなどのスキンシップによってホルモンが出て、心が安定し、ストレスが軽減することがわかっています。
- オキシトシン(愛情ホルモン)が出て、親子ともに心が落ち着く
- ストレスホルモン(コルチゾール)が下がる
- 脳の発達を促すという研究もある

赤ちゃんだけでなく、抱っこする側にも効果があります。
抱っこで育まれるもの

PT視点から見ると、抱っこは体の発達に良い影響を与えます。
・体の発達への影響
・感覚の発達
・筋肉の緊張を整える
体の発達への影響
抱っこをすると姿勢の変化で、体幹・首まわりの筋肉に自然な刺激が入ります。
縦抱き・横抱きで首や背骨への刺激の入り方が変わります。
「抱っこが発達を邪魔する」どころか、適切な抱っこは発達を促します。
感覚の発達
抱っこで揺れる・密着する体験が、前庭感覚(バランス感覚)や触覚の発達につながります。
ベッドに寝ている状態では体験できない刺激を、抱っこによって新しい刺激が加わります。
いろんな感覚が整うことで、その後の運動発達・情緒の安定にもつながります。
筋肉の緊張を整える
泣いて緊張した体が、抱っこされることで筋肉がゆるみます。
安心基地にいることで、心が落ちつくとともに、体もリラックスできます。
体がリラックスした状態の方が、体を動かしやすくなるので、次の運動発達がスムーズに進みやすくなります。
補足:抱っこの姿勢について
私としては、抱っこの姿勢も少し意識してほしいと思っています。
特に首座りまでの赤ちゃんは、背骨がCカーブ(丸まった状態)を保てる横抱きが基本です。
そして、長時間同じ向きでの抱っこは向き癖につながることもありますので、左右交互に抱っこの向きを変えることをおすすめします。

抱き方・向きのバリエーションを意識して、左右の偏りがないように気を付けてください
抱っこしないことで起こること

「抱っこしなかったら必ず問題が起きる」という意味ではありません。
抱っこしないことで起きる影響は、こんなことが挙げられます。
・安心感・信頼感を得にくくなる
・ストレスが長く続く
・体を動かす経験が減る
それぞれを詳しく説明していきます。
安心感・信頼感を得にくくなる
赤ちゃんは泣くことで「助けて」「抱っこして」と気持ちを伝えています。
泣いたときに応えてもらえる経験は、親への信頼感や安心感を育てる大切な機会です。
反対に、反応が少ない状態が続くと、「助けてもらえないかもしれない」「どうせ伝わらない」と感じてしまうことがあるとも言われています。
そのため、安心感や信頼感を育む機会が減ってしまいます。
ストレスが長く続く
赤ちゃんは自分でストレスを調整できません。
抱っこは赤ちゃんにとって大切な安心手段です。
必要な時に抱っこが少ないと、不安やストレスが長引くことがあります。
体を動かす経験が減る
抱っこは単なるスキンシップだけではありません。
- 揺れ
- 傾き
- 姿勢変化
を感じる発達経験でもあります。
抱っこの機会が少なすぎると、こうした感覚入力の機会も減ってしまいます。
「抱っこしすぎ」は本当にある?
「抱き癖がつくほど抱っこしすぎ」という状態は、乳幼児期にはほぼありません。
・泣いたら抱っこする
・求めてきたら抱っこする

これは、赤ちゃんの欲求にちゃんと応えているだけです。
欲求に応えてもらった経験が積み重なることで、「自分は大切にされている」という自己肯定感の土台ができていきます。
ただし、ママ自身が疲れているときや余裕がないときは、無理して抱っこしなくて大丈夫です。
安全な場所に寝かせて、少し様子を見ることも立派なケアのひとつです。
声を掛けたり、抱っこ紐やおもちゃを使ってみるのも大丈夫。
赤ちゃんのために抱っこするのと同じくらい、ママ自身が心と体を整えることも大切。
余裕があるときにたっぷり抱っこしてあげれば、それで十分です。
私の体験からの考え
頻回な抱っこで大変な日々
私の子は、夜泣きや、すぐに泣いて抱っこを求める時期がありました。
出来るだけ希望には応えてあげたいけど、家事もままならなくて大変な時期もありました。
抱っこのしすぎで、手首や腰が痛くなったり、体にも不調が出ました。
そして親世代からは、抱っこ癖がつくと言われたりもしました。
「昔と今の子育ての常識は違う」
「昔の知識のままで、私に言わないでほしい」と思ったりもしました。
抱っこは「心の充電」

私は、赤ちゃんや子どもが抱っこを求めることを「心の充電」と考えています。
泣いたり、抱っこを求めてくるときは、赤ちゃんの「心の充電切れ」のサイン。
そんな時は、忙しくても一度用事をストップして、赤ちゃんをぎゅーっと抱きしめる・抱っこするようにしています。
そして、赤ちゃんの心の充電が満タンになると、降ろしてほしいと動き出して、遊び始めます。

例えると、赤ちゃんはスマホで、私は充電器です。
まだ言葉や体の発達が未熟なは、赤ちゃんは、嬉しい・悲しいなどのいろんな気持ちをきちんと表現するのは難しいです。
そんないろんな気持ちを、「抱っこ」で代わりに表しています。
忙しい毎日の中で、自分の用事ができなくなることは大変です。
ですが、成長するにつれて抱っこを求めることが減ってきます。
そして、抱っこ卒業までの時期は、意外とあっという間に過ぎてしまいます。
なので、抱き癖を心配せず、出来る時にたくさん抱っこしてあげてください。
抱っこの代わりに大活躍したアイテム
3つのクッションで肩や腰の負担を軽減できる抱っこ紐
https://nako75blog.com/dakkohimo/
赤ちゃんが泣き止んだ!2歳すぎても夢中になって見てくれる絵本
https://nako75blog.com/moimoi/
触って・振って音を出して、色んな遊び方ができるおもちゃ
https://nako75blog.com/furifuri/
よくある質問(Q&A)
抱っこに関する疑問をいくつかまとめてみました。
Q. 泣くたびに抱っこしていいの?
どんどん抱っこしてください。
泣いたときにすぐ抱っこすることで「ここは安心できる場所」という感覚が育ちます。
欲求に応えてもらった経験が、心の安定の土台になります。
Q. 抱っこしすぎると自立が遅れない?
反対です。
安心できる場所があるからこそ、赤ちゃんは外の世界に興味を持って動き出します。
抱っこは自立を妨げるのではなく、自立の土台になります。
Q. いつまで抱っこが必要なの?
3歳ごろになると、日常的な抱っこは減っていきます。
5歳以降になると、抱っこを求めることは少なくなってきます。
ですが、「時期」ではなく、「子ども自身が求めなくなるまで」続けてあげてください。
求めてくれる時間は思ったより短いもの。
求められる間は、たくさん抱っこしてあげてください。
まとめ
今回は抱き癖について紹介しました。
抱き癖の考えは今は否定されていて、泣いたらすぐ抱っこすることを推奨されています。
抱っこは、赤ちゃんにとって安心できる場所です。
抱っこすることで得られる効果をまとめると、
- 自立の土台になる
- 体の発達を促す
- 色々な刺激が入る
- 筋肉のリラックスできる
- 安心感や信頼を築きやすい
抱っこをすることで、赤ちゃんにも抱っこをする側にも、両方に良いことがあります。
赤ちゃんが泣いたり、抱っこを求めてきたら、ぜひ抱っこしてあげましょう。
私としては、「抱っこしすぎて後悔した」というママより、「もっと抱っこしておけばよかった」というママの方がずっと多いと感じています。
赤ちゃんが求めている間は、思いっきり抱っこしてあげてください。
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